EGRETⅡ mini収録タイトルレビュー(28)「チェルノブ」


チェルノブ
データイースト/1988年リリース

 


このゲームは登場とともに衝撃を与えた。
このゲームが登場した1988年の2年前。
歴史上最悪の原子炉事故と言われている
チェルノブイリ原子力発電所事故は起こった。
原子炉の安全試験中に、設計上の欠陥と運転員の操作ミスが重なり、
急激な出力上昇が起こる。
原子炉が暴走し、2回の爆発で炉心が破壊。
放射性物質を含む煙が大気中に大量放出。
初期対応で消防士や作業員が被曝、約30人が急性放射線障害で死亡。
ヨウ素131、セシウム137などが広範囲に飛散。
ヨーロッパ全域が放射能汚染の影響を受け、
約11万人が強制避難、最終的に約35万人が移住。
健康被害など多大な社会的影響を落とした。
そして本作。
ゲームのフルタイトルは「ATOMIC RUNNER CHELNOV 戦う人間発電所
原子力発電所の爆発事故に巻き込まれた炭鉱夫が
被爆によって超人的能力を得てチェルノブとなる話。
チェルノブイリ事故をチャカしている悪ふざけ」とも取れる設定。
同人ソフトのような不謹慎さ(^^;
それを市販ゲームで堂々と表現してしまう豪胆さ。
しかもそのグラフィックはそんな設定以上に怪しくて禍々しい。
変なセンスのインパクトだけではない。
変なゲームなのにちゃんと遊べるw
のちに「デコゲー」と呼ばれ、偏愛される起点となったタイトル。
それが本作だと俺様は思っている。
ちなみに当時データイースト
チェルノブイリ事故と被ったのは偶然の一致だ」と言い張っていたw

 


ある日、原発の爆発が起き、その時、爆風下に炭鉱夫チェルノブがいた。

-STAFF-

PROGRAM:
-INOUE-
-AKIYAMA-
-HAGA-

HARD:
-SHIMOZAKI-


九死に一生を得たが、彼の体は異状能力に支配されていた。

SOUND:
-HARA-
-YOSHIDA-
-KIUCHI-
-TENNO-


超人として生きる決意をした。だが‥ デスタリアンの触手はすでに彼にも

GRAPHIC:
-M.TOKORO-
-J.S-
-MIX MAN-
-RITSU.T-


行け!チェルノブ
我前に敵は無し

ゲーム中は白いチェルノブだが、この絵では黒い。
また、本作はオープニングにスタッフクレジットが表示される珍しいパターンだが、
高速で絵が切り替わるので、画面をキャプチャーしない限り視認が難しい。

 


画面はサイドビューで強制スクロール。
レバーの左右で地面を前後に移動出来るが、
強制スクロールしているため後方に戻る事は出来ない。
(その場で止まるだけ、画面端までいくとスクロールに押される)
ショットボタン、ジャンプボタン、方向転換ボタンという構成。
ショットはレバーと合わせる事で真上や斜めに撃つ事も可能。
ジャンプはボタンのみだと垂直ジャンプだが、レバー左右に入れると空中制御可能。
まだレバーと同時にジャンプすると宙返りし、
その時にショットを撃つと回転しながら8方向に射撃できる。
ジャンプ中に敵を踏みつける事も可能。


ショットはアイテムを入手して強化や切り替えが出来る。
強化は以下の通り。

UP(赤)・・火力UP
UP(青)・・連射数UP
UP(黄)・・射程UP
J・・・・・ジャンプ力UP

武器の種類は以下の通り。

光子力光線
最初に装備されている光線銃

光輪
徐々に拡大する火の輪を連続で発射

エネルギーブーメラン
飛ばすと戻ってくるブーメラン

重力分銅
トゲのついた鉄球が円形に並んで飛んでいく

電撃むち
ムチが突然ビュッと伸びる

赤城山ミサイル
誘導弾

このゲームは一撃でミスとなり、少し前から再開する。
そのときにそれまでの強化はリセットされ弱体化するため、
難易度の高い地点でミスをするとハマりやすい。

 

STAGE 1


BGMのノリがいい。

 


こういう坂があるのも本作の特徴。

 


形状がよくわからない生物。貝?

 


壁に描かれた怪物。
ボス前演出としては印象深い。


ステージ1のボス。
首だけ龍。
壁面に描かれるほどの存在なのに超弱いww

 


ボスを倒すとワールドマップが表示され次のステージへと進む。
最終ステージがニューヨークである事がここでわかる。

 

STAGE 2


妖しげな森の中を進む。


兜被ってる巨大な恐竜w

 


このステージのボスは土偶

 

STAGE 3


ハイウェイステージ。

 


スペースハリアー」に登場しそうな首だけのドラゴン。

 


足を踏み外すとミスになる。

 


ボスは輸送ヘリ。
普通のシューティングでは何でも無い攻撃も、
本作では避けるのが難しい。

 

STAGE 4


このステージと次のステージは前半ステージのバリエーションな感じ。
ボスも土偶が再登場。

 

STAGE 5




このハンマーみたいなトラップが難しい。
支柱を破壊しないと通過できないけど、
破壊するとヘッドの部分が落ちてくる。
下を通過するか、落ちるのを待って上を飛び越えなければならない。

 


この地面から生えてる手もチェルノブで印象的なエネミーだよね。

 


ボスは骨剥き出しの翼竜
内臓部分が弱点。
けっこう避けやすい。

 

STAGE 6


このゲーム最大の難所。
この浮遊物や虫みたいなやつを踏み次いで奈落を渡らないとならない。
虫に下からぶつかったらミスになるし、高さが足りないと次の足場に届かないし、
当然、一度踏んだ虫は消える。
2時間ぐらいこの場所にいたわ・・。地獄。

 


ボスはダサいデザインのロボットw

 

STAGE 7




ラスボスは子供が落書きしたエイリアンみたいなヤツw
遠くに自由の女神


戦いの途中、唐突に自由の女神近くに場所を移す。


ボスを倒すとなぜかローマ字でメッセージ。


エンドロールはキャラクター紹介。
(スタッフクレジットはオープニングでやっちゃったから?)


チェルノブは画面外へ走り抜ける。


それをヘリが追っていく。


画面外で銃撃音。
チェルノブのミス音。
苦労してクリアしたのに不穏な結末(^^;


アルファベットに余計な顔がついてるネームエントリーw


本作はシューティングの難しさと
ジャンプアクションの難しさの両方が襲ってくるゲームで、
その分、難易度が高いゲームになっている。
考えてもみてくれ。
通常、強制スクロールのシューティングゲームは空中を自由に動ける。
通常、ジャンプアクションゲームはスクロールを移動で制御できる。
それら両方を封じられているのだから、難易度倍倍ファイトになって当然なのだ。
それだけにその操作を制御できるようになったときの快感も倍倍ファイトであり、
人を選ぶものの魅力的なタイトルになっている。
今の時代に合わせた難易度に改変して続編とか作ったら面白いと思うなァ。

 

本作は「強制スクロールでスピード感のあるゲームを作る」というアイデアから
スタートしたようだ。
だが戦闘機などのシューティングでは他社と内容が被ってしまう。
そこで「人を走らせるアクションゲームのような見た目にしよう」と
イメージが作られていったという。

 

本作登場の4年後にメガドライブに移植されているが、
「炭鉱夫が被爆して能力を得た」といった設定や結末などが
ガッツリと変更されている。
だが翌年にはアーケード版をそのまま移植したX68000版も登場しており、
オリジナルチェルノブが封印作品となったわけではなかった。