アーケードゲーム一期一会(12)「魔獣の王国」


魔獣の王国
コナミ
1987年

 


コナミのシステム基盤「ツイン16システム」の初期作。
同じ基盤のタイトルには名作「グラディウスII -GOFERの野望-」がある。

 


考古学者のコンドル教授と女性記者のラブライナが
マスコミ発表の場で発掘した棺を開けると、
中から何かが溢れ出し、二人は異世界(魔獣の王国?)へ飛ばされてしまう。

コンドル教授の見た目はまるでインディ・ジョーンズで、
当時これ、同じく1987年にファミコンでリリースした
「アルマナの奇跡」と同じシリーズなのかと思ったw


ただし、「アルマナの奇跡」の主人公の名前は「カイト」なので、
本作と同一人物ではない事が確認されている。

 


トップビューのマップの中でどこかにあるカギを探して、
そのカギで次のマップへの扉を開けて入る。

 


マップボタンでカギと出口の場所がわかるのも親切だ。

 


マップ内には沢山のモンスターと箱のようなものが点在している。
この箱はモンスターを無限に生み出すジェネレーターになっている。
ここまで説明してピンと来た人もいるだろう。
そう、このゲームはコナミ版の「ガントレット」をやろうとしたタイトルなのだ。


▲こちらはアタリの「ガントレット

 


このゲームのオリジナリティはパワーアップシステムにある。
敵やジェネレーターを破壊した時にときおり出現する水晶を取ると、
パワーゲージの1つ目が点灯する。
もう1つ取ると2つ目が点灯。
プレイヤーはゲージの好きな場所でパワーアップボタンを押す。
するとそれに該当する強化がされるというわけだ。
そう、本作は
グラディウス」のパワーアップ方式を採用している珍しいアクションゲーム
なのだ!
ゲージの並びは以下のようになっている。
①スピードアップ
②ダイナマイト
③マシンガン
④ファイヤー
⑤バズーカ
⑥レーザー
⑦ショットガン
⑧シールド
上記のうち③~⑦は併用出来ないので、実質、4種類の装備で最強状態となる。
このゲームは1Pがラブライナ記者で、2Pがコンドル教授なのだが、
どちらを使うかで上記の順番が異なる。
シールド以外は一度装備したら消耗しないのだが、
体力が尽きると全ての装備がひっぺがされる。
元の状態に戻すには14~18個の水晶を集める必要があり、
ゲームを難度の高いものにしている。
だが、このゲームの最大の難点はそこではなく、体力の消耗である。
敵と接触は当然として、何もしていなくても時間で体力は減っていく。
また、マップの端から落ちやすく、足を踏み外すとただちに1ミスとなる。


体力はマップをクリアしても回復する事がなく
唯一の回復方法はたまに出てくるコーラを取得すること。
これがなかなか出てこない上に、探している間も体力は減るので、
ほとんど運ゲーといっていい。
しかも、ご丁寧な事にいくら課金しても
コンティニューは3回しか出来ない設計となっている!
つまり、敵からのダメージを極力受けず、
最短ルートを間違わず移動しながら、
その過程で運良く回復アイテムが出ないとクリアできないのである。
せめてコンティニュー無限だったら意味もわかるが、
こんなに突き放したら逆にインカム悪くなるんじゃないの?と思った。
なお、本作は北米市場に限り、パワーアップがアイテム方式になり、
コンティニューが無限になった改良バージョンが出ていたらしい。

 

STAFF
GAME PROGRAMMER
HIROYASU MACHIGUCHI
MITSUO TAKEMOTO
TOSHIAKI TAKATORI
KYUICHIRO TSUTSUI

DATA FILE OPERATOR
IKUKO MINOWA

GRAPHIC DESIGNER
JUN SAKURAI
MIKI YOSHIKATA

SOUND EDITOR
HIDEAKI SHIKAMA
KENICHI MATSUBARA

ENGINEER
KEISUKE HASHIMA

ASSISTANT PROGRAMMER
AKIRA SUZUKI
TATSUO FUJII

ASSISTANT DESIGNER
TAKASHI JINBO
HIROYUKI ASHIDA
MICHIKO IWAMOTO