アーケードゲーム一期一会(11)「タイムトンネル」


タイムトンネル
タイトー
1982年

 


「タイムトンネル」というと俺様のような一般的なパソコン少年は
ボンドソフトのアドベンチャーゲームの方を思い出してしまうが、
本作はタイトーアーケードゲームである。

 


デコイチという機関車を操作するアクションゲームだ。
3台のスペアがあり、1台ずつ発車していく。

 


ステージにはレールが敷かれており、
デコイチの移動に合わせて左右にスクロールする。
デコイチはレールに沿ってしか移動できない。
レバー上で前進。レバー下で後退。

 


切り替えポイント手前で切り替えボタンを長押しすると、
カーブの進行方向を変える事が出来る。
この切り替えがクセモノで、
ポイントはこちらが操作しなくても勝手に一定時間で切り替わっているため、
切り替えボタンを押す直前に自動切り替えが発生していると、
意図しない方向へ曲がってしまう。
バックすればやり直せるが大きなロスタイムとなる。

同じ線路を走る新幹線や、空から飛来してくる宇宙人などにぶつかるとミスとなる。
また、燃料が無くなってもミスとなるが、補給所を通過すると全回復する。
このゲームは3つのステージで1ループなのだが、
それぞれクリアまでのルールが異なる。

 

田園ステージ


線路が行き止まりになっている箇所に止まっている客車を
デコイチに連結させていく。
連結の方法は客車に向けてバックで接触すること。
3台の客車を連結させる事が出来ると、
画面の一番右にあるトンネルの遮断機が上がって入る事が出来るようになる。

 

都市ステージ


数箇所に駅があり、そこに客が待っているので、停車して客車に乗せる。
一両3人までしか乗れないので
満席の場合は空いている車両をホームに合わせないといけない。
9人の客を乗せたらトンネルへ。

 

宇宙ステージ


宇宙空間に敷かれたレール。
宇宙ステーションにUFOがドッキングするので、
UFOが飛び立つ前に合流するとお客さんをUFOに乗り込ませる事が出来る。
UFOがどこのステーションにドッキングするかランダムだし、
遠いと辿り着く前に飛び立ってしまう。
そうこうしているうちに燃料が切れる。
全てのお客さんをUFOへ乗せ替えるとトンネルが潜れる。

 

3ステージで1ループ。
ここからは同じ3ステージが少しずつ難しくなっていく。
このゲームは最初の3ステージでまとまりが良いので1ループで割と満腹になる。

 

このゲームの世界観はよくわからないが、
タイムトンネルというタイトルから推測すると、
ゴールのトンネルはタイムマシン的な機能があるのだろうか?
時間旅行鉄道ってこと?
あんまりステージごとに歴史が変わっている感じもしないけど。
時代的にその表現は難しかったか。

 

鉄道模型で遊んでいるような直感的楽しさと、
敵の動きを推測してルートを切り替えていく
パズル的な遊びが両立する秀作であった。
この年のタイトータイトルというと
「ジャングルキング」「フロントライン」「ワイルドウエスタン」
といったラインナップ。
そんな中でもパズル性の強い本作は唯一無二の奥深いゲームである。
時代的にミニマムなゲームでまとまっているが、
本作の魅力をもとにスケールアップしたゲームが
のちの時代にリリースされても面白かったと思うが、
結果的に本作は歴史に埋もれたゲームとなっていた。