炎の大捜査線
1991年制作
台湾/香港
[原題]火燒島
[英題]Island of Fire
監督:チュー・イェンピン
製作:コー・シュンハン
脚本:フー・リー、イェン・ユンチャオ
製作総指揮:ジミー・ウォング
音楽:傳立
上映時間:97分(台湾オリジナル版は122分)
日本公開日: 1992年4月25日
出演:ジャッキー・チェン(ロン役)、レオン・カーフェイ(ウェイ役)、
アンディ・ラウ(ピンバル役)、サモ・ハン・キンポー(キア役)、
ジミー・ウォング(クイ役)、オー・ジョンホン(刑務所所長役)、
製作年度のジャッキー年齢:37歳頃
恋人の父親である警察署長が殺害された。
爆死した犯人の指紋を調べると、2年前に処刑された囚人であった。
刑事ウェイ(レオン・カーフェイ)はその囚人がいた監獄へ潜入捜査に侵入する。
この刑務所では、新人は腕試し大会への参加が恒例となっていた。
筋骨隆々の男にボコボコにされるウェイ。
腕試し大会を仕切っていたキア(サモ・ハン・キンポー)は、
一人息子に会いたいがために脱獄。
息子と再会してそのひと時を楽しむが、その後に連行され刑務所へ戻される。
腕利きのハスラーのロン(ジャッキー)は、八百長を申し込まれるがそれを拒否。
その夜、ロンはその相手に襲撃され、恋人が刺されてしまう。
重症となった恋人の手術代を工面するため、
マフィアが仕切るカジノでイカサマをして大金を手にしようとするが、
バレて乱闘に。
そこで相手を刺殺してしまったロンは、
ウェイらのいる刑務所へ投獄される事になる。
同じ頃、黒社会の大物クイ(ジミー・ウォング)が懲罰房から帰ってきた。
クイは新入りのウェイを警察の犬だと疑うが、
やがてウェイはクイの信頼を得ていく。
だがその後、クイはキアと一緒に脱獄し、追っ手に射殺されるのだった。
そしてキアも三度目の脱獄で死刑となる。
弟をロンに殺されたマフィアのボスであるピンバル(アンディ・ラウ)は、
自ら逮捕されて刑務所に潜入。ロンと決闘に挑む。
(ジャッキーとアンディ・ラウのタイマン勝負が拝める)
そして相手を殺すように煽る看守達に激昂した二人。
ロンは看守に囲まれてボコられ連行。
ピンパルは射殺されるのだった。
その後、同室だった友人を焼死させた男にブチギレたウェイは、
看守の銃を奪って男を射殺。
ウェイも死刑となる。
だが、死刑が執行されたはずのウェイはベッドの上で目覚める。
そして刑務所長から法で裁けない悪を成敗する
「清風隊」のメンバーになるように強要される。
清風隊には死刑になったはずのロン(ジャッキー)、ピンパル(アンディ・ラウ)、
キア(サモハン)もメンバーになっていた。
4人は麻薬組織のボスを暗殺する任務を実行する。
この任務でウェイ以外は逃亡に失敗して射殺される事になる。
ウェイは所長の元に戻り、彼を逮捕するのだった。
「ドラゴン特攻隊」同様にジミーさんへ恩義を返すためにジャッキーが参加した作品。
この頃はもうすっかりスーパースターのジャッキーだったが、
主演ではないし、最後に射殺されて退場するという役回り。
恋人も助からなかったというバッドエンドで、
ジャッキー映画の方向性からは外れているが、
断るに断れないオファーだったのだろう。
(ジャッキーが台湾映画に参加したのは本作が最後だ)
それはともかく、ジミーさんの過去のオファーは
「ファイナルドラゴン」も「ドラゴン特攻隊」も
絵に描いたようなバカ映画だったが、
本作はそれらに比べると割とまともな映画に仕上がっている。
奇妙な男の友情、裏切り、脱走、汚い看守達の裏工作。
監獄を舞台にしたドラマとして、なかなか見どころが多い。
例えるなら男版の女囚サソリといったところか。
特にスーパーヒーローの登場しない構成は、
アクションスターを多数キャスティングした映画としてはかなりの意欲作と言える。
監督は「ドラゴン特攻隊」と一緒なんだけどね。
何があったんだチェー・イェンピン!
なんとこの映画、実話を元にしているという。
台湾公開版は122分ある本作だが、
今回俺様が観たのは97分の日本公開版である。