新創世記ラグナセンティ
セガ・エンタープライズ
1994年6月17日
8800円
1994年当時、まだまだRPGというジャンルは花形。
良いRPGの登場するゲーム機は良いゲーム機というイメージすらあった。
そしてメガドライブは競合機のスーパーファミコンやPCエンジンに比べて
「RPGに弱い」という印象があった。
実際にはRPGが全然出ていなかったわけではなく、
メガドライブで話題になるタイトルは、
アーケードゲームの移植やアーケードライクなゲームが多かったゆえの
イメージだけの問題だったのではないかと思っている。
とはいえ、セガの偉い人は
「RPGラインナップを強化せねばならん!」と考えた。
そこで生まれたのが「メガロープレプロジェクト」である。
つまり「これからはRPG開発に力を注いでいきますよ!その対象がコレですよ!」
という宣言をわざわざしてラインナップを発表していったのである。
その第一弾が本作「新創世記ラグナセンティ」であった。
(ちなみに第ニ弾は前回紹介した「シャイニングフォースCD」である)
開発したのはネクステック。
1992年に設立し、「エクスランザー」をリリースしたエマーグという会社が
社名変更した直後に出した最初のタイトルである。
「光」に追われたモンスターたちが復活し、
人間の領域へ侵攻してきた時代、ひとりの少年が14歳の誕生日を迎えたー
神の「光りあれ」ということばによって、
世界は光に満ち、それまで栄えていた暗闇の中のモンスターたちの多くは息絶えた。
しかし、長き年月を経たのち、モンスターたちはふたたび勢力をとりもどし、
少しずつ人間の領域に侵攻しつつあった。
王は、国の将来を案じ、モンスターたちと戦い、
国を守る戦士たちを育成すべくラフレシア訓練所を設立した。
そして、男子は14歳の誕生日をむかえた日から、剣を持つことを義務づけた。
この物語の主人公・コロナは、そんな時代に14歳の誕生日を迎えたのである。
最初に主人公の名前を決める。
何も入力しなければ初期設定の「コロナ」になる。
主人公の誕生パーティから始まり、剣を与えられる。
このあと剣の修行を受けるために王様のところへ行くのだが、
最初の街からしてやたら広く、
城に行くまですでに迷う(^^;
勇者を目指す主人公。
方向ボタンで8方向に移動。
ブロックは方向ボタンで押せる。
Aボタンで剣を振ったり、調べたり、話したりする。
スタートボタンでコマンド画面を開く。
最初に出来る操作はこれだけなのだが、
このゲームはプレイを進めるごとにアクション操作が増えていく。
街を出るとフィールド移動画面に出る。
一度通過した場所はこの画面上でショートカットできる。
最初に覚えるアクションは「剣とばし」。
Aボタン押しっぱなしでパワーを貯めて、
離すと剣をブーメランのように投げる。
最初のボスキャラ。
動物と話が出来るようになったら、飼い犬を冒険の仲間に連れていけるようになる。
あ、ソニックだ。
ジャンプを覚えると行動反意が広がる。
ちなみに体力は拾ったリンゴの数。
黄金のリンゴを取得するとMAX上限が上がる。
ダメージを受けるとリンゴが減っていき、リンゴが無くなるとゲームオーバー。
ゲームオーバーになると否応なくタイトル画面に戻ってしまう。
こまめなセーブを怠っていると一気にやる気無くす(^^;
海の浮き島に飛び移ってルートを探索するのだが、
突風を利用したり、突風によって着地に失敗したりする。
ゲームオーバーが頻発するので嫌気がさしてきた。
2体目のボス。ボスは弱い。
このあともまだまだ続くのだが、
ゲームオーバーと隣り合わせのアクション探索はストレス値が高く、
長くなってしまうので今回のプレイはここまでにしたい。
だんだん難しくなるアスレチックコースを
どうすれば先に進めるのかパズル的に考えて、
それを実践するも、アクションに失敗して何度もセーブした場所からやり直す。
そんなチャレンジ探索ゲームであった。
PRODUCE
SCENARIO
GAME DESIGN
Y.ONDA
MAIN PROGRAM
Y.TANI
SUB PROGRAM & GAME DESIGN
T.TOYOTA
SUB PROGRAM
S.OHTAKE
CHARACTER & GRAPHIC DESIGN
T.YAMAMOTO
GRAPHIC DESIGN
K.NAGATA
M.MATSUSHIMA
OBJECT DESIGN
Y.SHIMIZU
K.TAJIMA
BOSS CHARACTER DESIGN
Y.MAKI
GAME DESIGN
ALL STAFF
MUSIC COMPOSER
M.SHINODA
SOUND OPERATOR
N.IWADARE
SPECIAL THANKS
MUCKY
I.MIZOGUCHI
EXECTIVE PRODUCER
K.AOYAMA
本作は1991年にスーパーファミコンで発売し大ヒットした
「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」を模倣したゲームである。
ぶっちゃけ
「メガドライブでゼルダみたいなゲームを」
というコンセプトだったんじゃないかとすら思える(^◇^;)
それは別に良い。
ゲームの発展は模倣の歴史である。
問題はそこじゃない。
模倣元である「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」はRRGではない。
成長要素は極めて薄く、キャラクターを強くして先に進めるのではなく、
用意されたアクションで物語を切り開いていく
「アクションアドベンチャーゲーム」である。
当然、それを模倣した本作もキャラを成長させるゲームではない。
実際プレイしてみてもRPG的な設計とは思えなかった。
「RPGというジャンルを強化する」というプロジェクトの第一弾が
アクションアドベンチャーって、
実にセガらしいズンドコ節である(^◇^;)
さて、このメガロープレプロジェクトのラインナップを追ってみよう。
第2弾:シャイニングフォースCD
ゲームギアタイトルのカップリングでシミュレーションRPG。
第3弾:ドラゴンスレイヤー英雄伝説
パソコンゲームからの移植となるフィールド移動型コマンドRPG。
第4弾:アフターハルマゲドン外伝 魔獣闘将伝エクリプス
パソコンゲーム「ラストハルマゲドン」の精神的続編。
フィールド移動型コマンドRPG。
第5弾:ストーリーオブトア~光を継ぐ者~
トップビューのアクションRPG。
第6弾:ドラゴンスレイヤー英雄伝説Ⅱ
パソコンゲームからの移植となるフィールド移動型コマンドバトルRPG。
第7弾:サージングオーラ
プロジェクト最終作。フィールド移動型コマンドバトルRPG。
「これからはメガドライブでRPG開発を強化していきますよ!」
そう言われてイメージするものは何だろうか?
この当時の流れから行ってズバリ「オリジナルのコマンドバトルRPG」だったと思う。
だが上記のラインナップにそれに該当するものは
「サージングオーラ」ぐらいしかない。
(100歩譲ってエクリプスもそうか)
ぶっちゃけこのぐらいのタイトルだったらプロジェクト組まなくても揃いそうだし(爆)
そもそも「メガドライブはRPGに弱い」というのが間違いだったんだよ。
正しくは「メガドライブにはドラクエとFFが無い」
だったんだよ!
プロジェクト第一弾で模倣すべきはゼルダではなく、
ドラクエかFFだったんじゃないのか!?
と俺様は声を大にして言いたい。
ちなみにこのゲームが登場する2ヶ月前に
スーパーファミコンでは「ファイナルファンタジーⅥ」が登場している。