神武伝承
(ビッグクラブ)
1989年6月28日/アクションシューティング/6700円
今回プレイした「神武伝承」というゲームには謎が多い。
本作はウルフチームがパソコン向けに出した「YAKSA(ヤシャ)」というゲームと
世界観を共有する関連作品である。
タイトル画面は共通したビジュアルイメージである。
ところでウルフチームのパソコンゲームと言えば、
俺様はほとんどまともにプレイできた事がない。
(一部X68000のタイトルは除く)
ウルフチームが作るゲームの特徴は、
難易度は徹底的に玄人向け、
ゲームバランスと呼ぶにはあまりに厳しすぎるゲーム設計。
ところがこの会社のゲームは、世界観設定が突出しており、
さらにそれをカッコよく魅せるビジュアルシーンに長けていた。
▲上記全てPC88版の画面
これらのビジュアルシーンに魅了されて実際のゲームをプレイしてみると、
あまりに激烈な難易度で
ステージ1すらまともにクリアできない。
ゲームの完成度が粗すぎて頑張って攻略法を編みだす気にならない。
そういうゲームが続いたので、
いつしかウルフチームのゲームには警戒心を抱くようになっていた。
本作の話題に戻ろう。
本作はウルフチームの「YAKSA(ヤシャ)」関連作品でありながら、
それを開発し販売したのはビッグクラブという謎の会社である。
本作がビッグクラブの第一弾タイトルらしい。
そして本作の内容はというと、「YAKSA(ヤシャ)」とは全く異なり、
「スペースハリアー」のような奥行きのある疑似3Dシューティングである。
和風の世界観で3Dシューティングと言えば、
ウルフチームの兄弟会社である日本テレネットから
PC88VA専用ゲームとしてリリースされた「神羅万象」というゲームがあるが、
本作は「神羅万象」の移植でもなさそうだ。
ゲームをスタートさせると、突然アクションが始まる。
どうやらこのゲームにはビジュアルシーンのようなものは無いらしい。
突然、長髪の侍が画面奥へ向かって走るのだから、
PCエンジンユーザーにとっては説明不足甚だしい。
ここでマニュアルのストーリー説明を読んでみる。
「時は戦国時代。神武の御世以来、魔空泉を守り続けた夜叉衆も、
死魔神が配下・魔空衆に次々と討たれていった。
斬れ!最後の夜叉・九条院伊織。
高野山に幽閉されたもう一人の夜叉・最空を救い義の旗のもとに集え!」
魔空泉?夜叉衆?
どうやらパソコンゲーム「YAKSA(ヤシャ)」をプレイした事が前提のストーリーだ。
とにかく目的地が高野山で、ゲームの目的は最空を救うという事だけはわかる。
このゲームは「スペースハリアー」のように、
自動的に画面奥へ進むゲームではない。
方向ボタンの上を押すと画面奥に進み、
方向ボタンの下で画面手前へ戻る。
ボタン構成はジャンプと攻撃。
スペースハリアーの場合は、(飛んでいるので)画面全体を移動できるが、
本作は左右にしか移動できず、縦方向へはジャンプでフォローする。
たまに浮遊台みたいなのが出てくるので、
ジャンプで飛び乗る事ができるが、難しい。
画面奥へ進むと凄いスピードで敵と敵の弾が迫ってくる。
攻撃ボタンで撃破するわけだが、
距離感も掴みづらく、狙って撃破するのは至難の業だ。
画面を進むと地蔵が出現する事がある。
地蔵を破壊すると中から強化アイテムが出現。
剣が変わると振ったときに出る波動弾が変わる。
同じものを続けて取ると攻撃のランクが上がり、
例えば不動の剣は同時に二発の弾が出るようになる。
初期状態の「獅子の剣」は波動弾が出ない。
シューティングなのに・・。(^^;
攻撃を受け続けるとランクが下がるので、
強い状態でいられるのは一瞬である・・。
ステージの奥にはボスが登場。
やはり距離感が掴めずに苦戦する。
このゲーム、「スペースハリアー」と違う点が
全てゲームにマイナスに働いている気がする・・。
全7ステージをクリアすると、
最後に少しだけストーリー補足あり。(少しだけ)
光と闇の戦いはここで終わりをむかえた。
伊織はこのあと最空を救い出し、最後の悪の巣を封じ込める事に成功する。
時に天正10年6月2日の事であった・・・
-CAST-
伊織
身長 1.8m
体重 75kg
主人公
うでくび
身長 2m
体重 1t
早く地上に出たいよん
し はん
身長 2.5m
体重 40kg
雑魚だと思ってばかにしちゃ嫌
きん ぱくほう
身長 2.5m
体重 40kg
カラスにかえります
ふぁいばーど
身長 2.5m
体重 40kg
触ると熱いでござる
ささえもん まんだらけ
身長 2m
体重 90kg
もんじゃらけの兄貴だ
きくえもん もんじゃらけ
身長 2m
体重 90kg
まんだらけの弟だ
がいこつ
身長 2m
体重 30kg
やっぱり鼻毛が長いとみっともねえや
意味不明
かぶと
身長 2.5m
体重 5t
またあいましょう
ふどう
身長 5m
体重 3t
ふどうだけにふどうるなあ
ひのたま
身長 0.5m
体重 0.1kg
おたより待ってるよ
じぞう
身長 1.5m
体重 200kg
マル秘情報
ある場所で戻るといるよ
たからばこ
身長 0.5m
体重 10kg
暗闇で火みるとき 石の上にも3年
ふゆういわ
直径 3m
体重 3t
なんで浮くんだろう
たけ
身長 8m
体重 3t
ROCK ONもよろしく
おとしあな
直径 2m
体重 0t
ワープしてワープしてワープしまくれ
はしら
身長 85m
体重 5t
柱がしゃべるわけが無いだろ!!
こうりゅう
身長 25m
体重 10t
笑った顔してても心は怒ってるぜ
きつねぐも
身長 30m
体重 3t
ておいがに
身長 5m
体重 200t
かにかに ぼくらは双子だかに
ひゃくめんき
身長 20m
体重 4t
人類みな兄弟
顔が多い事はいいことだ
ひおとこ
身長 30m
体重 10kg
冬は寒くてかなわねえや
かにおとこ
身長 10m
体重 30t
ておいがにとはいとこの仲よ
かにかに
れいき
身長 18m
体重 50t
こんどあったら叩きのめしてやるぜ
友情出演
最空
-STAFF-
PROGRAM
F.FUKAYA
T.KAWAGUCHI
MUSIC
M.UNO
GOBLIN SOUND
BENJAMIN.HEBI
GRAPHIC
K.NAKAJIMA
A.SEKINE
ORIGINAL WRITER
M.AKISHINO
スペースハリアーから全ての爽快感を抜いただけのようなゲーム内容はさておき、
「YAKSA(ヤシャ)」の最大の売りである
世界観設定を活かしたストーリーやビジュアルシーンも無く、
知りたくもないザコキャラや障害物のプロフィールを
エンディングで紹介するなど、
もはや「YAKSA(ヤシャ)」の世界観を使う意義を
持て余しているように思える(^^;
そんな謎だらけのゲームでデビューしたビッグクラブだが、
PCエンジンでは本作と「ロック・オン」というゲームをリリース。
3作目の「アームドF」が発売される前に倒産している。
(「アームドF」はパック・イン・ビデオが引き取って販売)
会社としては1~2年しか存在してない事になるビッグクラブ。
本作のスタッフロールを見ると、ウルフチームとの共作である事が伺えるが、
ウルフチームと関係が深い会社だったのだろうか?
謎の会社の謎ゲームであった。