イカゲーム(シーズン1)

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2021年9月17日にNetflixで配信開始
制作:Siren Pictures Inc.
監督:ファン・ドンヒョク
脚本:ファン・ドンヒョク
主演:イ・ジョンジェ
シーズン1(全9話)

主人公のソン・ギフンは会社を不当解雇されて以来、
妻にも離婚され、娘とも離れ離れ、
病弱な母親に金を無心にギャンブルをするダメ男になっていた。
借金取りにも追われ、どうにもならなくなっていたとき、
「大金が手に入るゲーム」への参加を勧める男が現れる。
半信半疑で参加すると、
そこには自分と同じように金に困った人間達が456人集められていた。
そして1回目のゲーム「だるまさんがころんだ」によって、
脱落者は死が待っているデスゲームである事を知る。

 

イカゲーム」がなぜ世界的大ヒットとなったのか?
観賞後、それを考えてみた。
特に新しいジャンルでもない。
集団で監禁されデスゲームを強要される映画やドラマは、
今まで散々作られている。
バトル・ロワイアル」「カイジ」「キューブ」「リアル鬼ごっこ
「ソウ」エスケープ・ルーム」「神さまの言うとおり」・・

イカゲーム」のレビューを見てみると、
「ドラマのテンポがいい」とか
「登場人物の掘り下げが上手い」などと言われているが、
後付で理由をこじつけた感がハンパ無い。
今までのデスゲーム映画だって、
全てがテンポ悪かったわけじゃないし、
登場人物の掘り下げだってしてこなかったわけじゃない。

俺様なりに大ヒットの要因を推測してみた。

その1
「デスゲームが枯れたジャンルであったこと」
おそらくデスゲーム系がどういう映画なのか認識され始めたのは、
1997年の「キューブ」から2000年の「バトルロワイアル」ぐらいまでの時期だと思う。
そこから類似した構成の映画やドラマが量産されていった。
バラエティ番組の「逃走者」などもデスゲームの派生コンテンツと言っていいだろう。
そんなデスゲームも20年が経ち、
イデアやシチュエーションも出尽くした感があった。
例えば「カイジ ファイナルゲーム」はパワーダウン感否めなかったし、
「ソウ」シリーズも作りすぎて回を重ねるごとに味が薄まっていっていた。
全盛期のように様々な作品が作られなくなったし、
ジャンルとして枯れているような空気感が漂っていた。
だがデスゲーム映画の本質的な面白さを知っているので、
「ちゃんと作ったデスゲーム映画があったらまた観たいよね」
という思いが視聴者の中にあったのでは無いだろうか?

その2
「韓国産のデスゲームであったこと」
例えば映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」。
既存のゾンビ映画におけるパンデミックを下敷きにしながらも、
韓国の文化や思想で再構築する事で新しい感覚の映画に仕立て上げていた。
本作もそうで、こすられまくったデスゲームプロットでも、
韓国文化で再構築する事で世界の人々に新鮮味を感じさせる事が出来たわけだ。

その3
「プロモーションの妙」
上記の2点ですでに訴求に応えるコンテンツになっていたので、
あとはそれを上手くプロモーションすれば良い。
それが上手かった。
Netflixイカゲームというドラマが世界で流行っている」というニュースが
SNSや情報番組を通してとある時期に拡散されていたように思う。
それにより存在を知り、「そんなに言うんなら観てみようか」という気にさせた。

この3点によって「イカゲーム」は成功したというのが俺様の見解。
でも「イカゲーム」自体が
良質のデスゲームドラマであったからこその成功である事は言うまでも無い。
ここまで成功しちゃうとシーズン2も当然作らざる得ないと思うが、
シーズン1のテンションを維持するのは相当難しいと思うなぁ。