オーダイン
(ナムコ)
1989年9月8日/横シューティング/6800円
1988年当時、ナムコには新開発した「システムII」という基盤があった。
この基盤の特徴は画像の拡大・縮小・回転機能だった。
それの何が凄いのか?
例えばボスキャラのような大きなキャラクター。
グルグル回転して攻撃してくるとする。
そうするためには回転しているように見える絵のパターンを用意するか、
キャラクターが回転するような特殊なプログラムを組み込むしかない。
前者はとんでもない容量を食うし、
後者は高度な技術を持つプログラマーしかできなかったし、
やったとしても様々な制限がゲームデザインを苦しめた。
ハードにその機能があれば普通に1枚の絵を用意するだけでグルグル回したり、
そのままキャラの大きさを変えたりできる。
つまりこれまでのゲームには出来なかった
ダイナミックな演出が可能になるというわけだ。
「オーダイン」はそんなシステムII基盤を使ったアーケード向けタイトルの第2弾。
(第1弾は「アサルト」だった)
当然ながら、拡大・縮小・回転機能を
デモンストレーションするような内容のゲームだった。
巨大な空中要塞を撃破すると、傾きながら雲海の中へ墜落していく、
大きな円盤が回転しており、円盤の突起を避けながら進む、
撃つと回転が速くなる風車みたいなのを調整しながら進む・・
などなど。
アーケード版「オーダイン」が好きでよくプレイしていた俺様、
そんな本作がPCエンジンに登場すると聞いて不安がよぎった。
拡大・縮小・回転機能を持たないPCエンジンでどうやって再現するの?と。
前置きはこれぐらいにしてプレイを始めていこう。
オーダインは横スクロールシューティング。
天才科学者である泊裕一郎が、悪人クボタにさらわれた恋人カナを取り戻すために
戦闘機に乗り込み出撃するというストーリー。
PCエンジンでも2人同時プレイが可能で、
2人で遊ぶ場合、相棒のサンデー珍が登場する。
ショットと爆弾の2種類の攻撃ボタン構成。
ショットは手動連射なので、連射機能のパッドがあると遊びやすい。
ショップに入ると自機を強化できる。
ステージ中で集めた金額を使って買い物するファンタジーゾーン方式。
それにしてもここで買う武器は頼りにならない。
弾数制限や時間制限が厳しくて、すぐにノーマルに戻ってしまう。
正直、パワーアップに金使うくらいなら、
金貯めて「MYSHIP(1UP)」買うのが一番効率的だ。
このゲームは残機がある限りその場で復活するので、
どうしても突破出来ない難所は残機を消費してゴリ押しできるからだ。
グラフィックはかなり簡略化されたものになっているものの、
ポップで楽しい世界観は変わらない魅力になっている。
ステージ1のボスだが、やはり撃破しても傾いて墜落していく事は無い。
また円盤がまわるギミックも、実際に回転するのではなく、
円形の突起が回っているかのように動くという工夫で再現。
亀のボスも回転して突進してこない。
やはりPCエンジンで回転や拡大縮小を実装される事はなく、
別の方法でなんとか雰囲気を保つ努力が垣間見られる。
ゲームの難易度はアーケード版より抑え目。
ボスなども安全地帯から爆弾を落としていればクリアできたり、
あっけない奴らが多い。
最終ステージはイライラ棒っぽい難関を潜り抜けてボス戦へ。
アーケード版では無意味にバク転するんだけど、
PCエンジン版はカットw
倒すと悪人クボタが昇天していくw
窓の向こうで手を振っているのがカナちゃん。
スタッフロールは無し。
ちなみに誘拐されるこのカナちゃん。
タイトル画面でIボタンを押しっぱなしにしていると
タイトル画面が「オーダインかなちゃん」に変わり、
操作キャラクターがカナちゃんに変わる。
が・・
泊裕一郎博士の色を変えただけでカナちゃんと言い張っているw
PCエンジン版「オーダイン」も十分雰囲気を楽しめるゲームではあるが、
オーダインをちゃんと体感するには
回転拡大縮小機能を使ったアーケード版もプレイする方がいいかな。