パロディウス ~タコは地球を救う~
(コナミ)
1988年4月28日/MSX1用/シューティング/4980円
同社の名作『グラディウス』シリーズのスピンオフ作品としてMSXで登場。
開発期間1ヵ月で「社員がストレス発散用に作ったソフト」だったらしい。
わては、バグだけは残したらあかんのや。
時としてバグは、どないなもんよりもつろう。悲しい。
せやかて、バグこそが新しいプログラムを食い潰してしまいよんねんから。
タコの日記より
わては、タコだす。
わしの仕事は『夢と希望プログラマー』だす。
宇宙を旅しながら色んな星の人に『夢』ちゅーもんを与えとりまんのだす。
わての宿敵は『バグ』いうねん。
一生懸命プログラミングしてこさえた
わての夢を平気で食い潰しよる。
ほんま許されへんやっちゃ!
そのバグが、どうやら小惑星帯に本拠地をかまえ、
地球人の夢を奪っとるらしい。
そういうたら最近の地球人のプッツン!
あれはどない考えてもバグの仕業やで。
そないわけで、わてを含めた5人のスペースファイターが
地球人の夢を取り戻すため小惑星に向けて、飛び立ったんや。
わてはペンギンいうねん。
南極やら夢大陸やら旅して一息ついた思たら次は宇宙やて。
ペン子ちゃんとのデートどないしよ!
てやんでえ!べらんめえ!あったぼ~よ!
バグだかバカだか知らね~が
俺の手にかかっちゃあ、おしめえよ!
俺はゴエモンだぜっ!
わたしがポポロンです。
魔物退治と聞いてはじっとしていられません。
必ずバグを倒して見せましょう!
ビックバイパーだす。
わてもすっかりオカボロだすが、
足手まといにならんよう小さい事からコツコツと頑張りますさかい、
よろしゅうに頼みます。
このゲーム
あんましマジメに
せんほうがええで。
本作はその後のゲーム史に大きく影響を与えている画期的な点がいくつもある。
ゲームがスタートするとプレイヤーはキャラクターを5種類の中から選択出来る。
タコ、ペンギン、ゴエモン、ポポロン、ビックバイパーだ。
コナミは同年1月に『コナミワイワイワールド』という
他タイトル主人公が集まるスターシステムを採用しているが、
シューティングとしてはおそらくパロディウスが初だろう。
とは言え、どのキャラを使っても性能は変わらず、気分的な変化にとどまる。
ひょっとしてキャラによりエンディングが違うのかと
「タコ」と「ビッグバイパー」でクリアしてみたが、どちらも共通だった(-_-;
また、セルフパロディという形でシューティングをコミカルに描くという形は斬新で、
新たな表現の形として以後踏襲されていった。
『グラディウス』のパワーアップ方式の他に、
『ツインビー』のベルによるパワーアップも採用しており、
シリーズ独特のアクセントにもなっている。
他のMSX向けシューティングに比べると難易度自体はそれほど高くはない。
だが、ピンポイントでひどいトラップが多く、笑って済ませる範囲を越えている。
ボスとのジャンケンに負けたらステージの最初に戻される、
白いベルを取らないと行き止まりを通過出来ない、
装備が全て消えてしまうパワーアップが標準的にある、
などなど。
お祭りタイトルだからこそ理不尽な罠で苦しむのは疑問に思えた。
また、難易度はそれほど高くないとは言っても、
MSXのスペックよる8ドットスクロールはやはり難敵であり、
ちょっとの操作ミスですぐに壁に激突したりする。
ボスキャラのシュールなデザインは面白く、辿り着いて出会うのが楽しみだった。
爆発エフェクトが文字で「ひ・で・ぶ」と出るなど、細かいジョークも楽しげだ。
全6ステージ(+エクストラステージ)。
全体のコンセプトは魅力的であり、
これは続編の『パロディウスだ!』で洗練された。
スタッフロールは無し。
エンディング直後に2周目が始まる。
あんさんの夢は何だすか?
THE END