伏線回収

「伏線回収」ってなんでしなきゃいけないのか考えてみた。
伏線とは
「のちの展開に必要な事柄をそれとなく呈示しておくこと」である。
それを回収する事はすなわち、
伏線によって準備した“のちの展開”そのものである。
作中に点在した(そのときは意味のわからない)伏線が頭に入っている状態
それらが回収された“展開”を知る事で、
「そういう事だったのかー!」腹に落ちる感覚を体感でき、
物語に深みを感じさせる事が出来るというシナリオ技法だ。
つまり回収があってこその伏線であって、
回収しない伏線はただの“意味不明の無駄なシーン”となる。
また、回収しない伏線は「結局あれは何だったの?」というモヤモヤを残し、
納得感の無い物語としての印象が深まる。

では「伏線回収しない」という選択肢はあるのか?
本来は無い。
だがあえて
「ダミー伏線をばらまいて展開推測を難解にさせる」
という手法も無しではない。
ゲームシナリオの場合は大いに有効打となり得る。
スカし過ぎると本来の種明かしも「なんじゃそりゃ?」となり
策に溺れる結果になる危険も高まる事も覚えておきたい。
わかりやすく言えば、漫才の“フリ”と“オチ”だ。
オチに繋がらないフリがたくさんある漫才を考えてみて欲しい。
それを笑ってもらえるように作るのがいかに難しい事か。

 

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