やっぱりセガが好き第14回「ツインクルテール」

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ツインクルテール
(WAS(東洋レコーディング))
メガドライブ/1992年7月24日/シューティング/7800円

 

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東洋レコーディングという聞いた事も無い会社から発売されている
メガドライブのオリジナルシューティングである。
この東洋レコーディングという会社がゲームを出したのはこれ一本のみ。
そしてこのゲームは「ZAP(ザップ)」という会社が開発している。
このザップという会社も謎に包まれた会社で、
どんなゲームを開発していたのか?などほとんど情報が転がっていない。
暗黒神話 ヤマトタケル伝説」という
諸星大二郎原作漫画のゲーム化をしたりしているようだ。
WASが多角経営の一貫として試しにZAP開発のゲームを売ってみたのか?
それとも「新人類」のリコーエレメックスのように名前貸しのような形だったのか?
何にせよ、謎に包まれた一本である。

ゲームをスタートさせると数枚のビジュアルで
プロローグが流れる。

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見習い魔法使いのサリアはその日、師匠である赤の魔導師オーロフに頼まれて
ピケットの村に来ていました。
占い師のラーザからあるものを受け取り、重大な事を聞く・・・
それが用件でした。

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サリアがたずねると、ラーザは厳しい顔でその重大な事を語り始めました。
「残念ながら、多くを説明している暇はない。よく聞け。
黒の魔導師ガドウが反乱を起こし、このままではこの国は奴の手に落ちる。
すでに青の魔導師ドーラも奴の手によって捕らえられてしまった。
今頃はお前の師匠の所へも魔物の群れが向かっている事じゃろう。
奴の操る魔物には誰もかなわぬ・・・。
これを持つ者以外はな。」

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そう言ってラーザがサリアに手渡したものは三つの魔法の道具でした。
黄金のブレスレット“シューティングスター”
ダイヤの首飾り“ダイヤモンドアロー”
そして銀のブローチ“シルバーコメット”

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「それは全て戦いの道具じゃ。お前の力となるじゃろう。
行きのだ、サリアよ。この国を救える者は、もはやお前しかおらぬ。」

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ピケットの村を飛び出し、サリアは師匠のもとへ急ぎました。

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今、アルフィリオンに新しい伝説が生まれようとしています。

 

メガドライブのROMソフトでここまで気合の入っているプロローグも珍しい。
RPG並の力の入れようだ。

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ゲームがスタートすると、トップビューの画面で平原に立つサリア。
サリアを8方向に操作すると、それに合わせて任意スクロールする。
ボタンは通常魔法、魔法切り替え、スペシャル魔法の3つ。
通常魔法は無限に射出。
押しっぱなしで弾幕シューティングのようにバラ蒔かれるのが気持ち良い。
魔法は「一点集中弾」と「ワイド弾」と「ホーミング弾」の3種。
それぞれ強化アイテムを拾うとレベルが3まで上がる。
ダメージを受けるとレベルが1下がる。
レベルが下がっても、魔法を切り替えれば強いレベルを維持できるは親切設計だ。

ゲームの雰囲気はマイクロキャビンの「フレイ」に似てはいるけど、
「フレイ」よりもよりシューティング寄りで爽快感が高いね。

 

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グラフィックレベルもけっこう高い。

 

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ボス戦なんかまさにシューティングゲームだ。

 

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パワーダウンしても宝箱を開け続ければすぐに元に回復する。
メガドライブここまで配慮した難易度は珍しい。

 

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二体目のボスを倒したらお師匠様登場。
オーロフ「おぉ、サリアよ!」
サリア「お師匠様!ご無事でございますか!?」
オーロフ「体の方はなんとか無事じゃがな・・・。
わしの魔力の源であるルビーは取られてしまったわい。」
サリア「そんな・・・!お師匠様、ガドウ様はなぜ反乱を起こしたのですか?」
オーロフ「うむ・・・ガドウの持つオニキスは
闇を操る魔力を持っておるのじゃが・・・
奴はその魔力で闇の世界と交信し、暗黒魔法を手にいれようとしていたらしい。
しかし、宝石の魔力を自分のために使うことは厳しく禁じられておる。
国王はひどく怒り、奴を城に閉じ込めてオニキスを取り上げようとしたのじゃ。
それで反乱を起こしたのじゃろう。
サリア、わしは国王をお守りするためにダイヤモンドパレスへ行かねばならん。
お前はドーラ殿とエラン殿を助け出しにいってくれ。頼むぞ!」

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サリア「ドーラ様、ご無事ですか!?」
ドーラ「おかげで助かったよサリア。まぁ、無事ではあるが・・・
エメラルドを取られてしまったよ。」
サリア「ドーラ様も!?」
ドーラ「やはりオーロフ殿のルビーもか・・・。
ガドウめ・・・我々から奪った宝石の魔力を使って
強力な魔物を呼び出すつもりだな!」

サリア「より協力な魔物・・・!?」
ドーラ「うむ・・・おそらくは、暗黒世界の魔王を呼び出さうとしているのだろう。
サリア、エラン殿を頼む!私はダイヤモンドパレスへ行く。国王が心配だ・・・!」

 

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サリア「エラン様、ご無事なのですね!」
エラン「よく来てくれました、サリア。
サファイヤは取られてしまいましたが、私は無事です。」
サリア「やっぱりサファイヤを・・・
エラン様、私はこれからザード山脈へ向かいます。
ガドウはとても恐ろしいことを企んでいるのです!」
エラン「先を急いでいるのですね、サリア。ではこれを着て行きなさい。
その“風のローブ”を着ていれば自由に空を飛ぶことができます。
少しはあなたの役に立つでしょう。」
サリア「はい、これがあれば・・・!ありがとうございますエラン様!」
エラン「国王のことは私達にまかせなさい。気をつけて行くのですよ。」

 

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風のローブによって空を飛べるようになったサリア。
この瞬間からゲームはアクションシューティングから
純粋にシューティングになるのであったw

 

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ザード山脈到着。

 

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サリア「ガドウ!!」
ガドウ「う・・・サリアか。一足遅かった・・・。」
サリア「これはどういうことなの?この魔方陣は・・・まさか!」
ガドウ「知っているのか・・・。
そうだ、暗黒の魔王カイザーデーモンが現れたのだ・・・!」
サリア「なんということを・・・!」
ガドウ「私じゃない!!宝石を集めたのも、この魔方陣も、
全て魔王の手下がやったんだ・・・!
私は・・・奴らにだまされていたんだ。
オニキスの魔力を開放すれば、私を助けてやるとささやかれて・・・!
奴は・・・恐ろしい化け物だ。私には止められなかった・・・!」
サリア「カイザーデーモンはどこへ・・・どこへ行ったのです!?」
ガドウ「奴は・・・この国を征服すると言った。
ダ、ダイヤモンドパレスへ行ってくれ!
まだ間にあう・・・はず・・・。」
サリア「ガドウ・・・!」
ガドウ「私のことは・・・いい。これは当然の報い・・・だ・・・。」
サリア「ガドウ・・・様・・・。」

 

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オーロフ「サリア!」
サリア「お師匠様!ドーラ様も、エラン様もご無事で!」
オーロフ「間に合って良かったわい。お前も無事なようじゃな、サリア。」
サリア「カイザーデーモンはこの中に?」
オーロフ「奴はこの部屋を魔界とつなげている。入ったら最後、
奴を倒さない限り出てくることは出来ないだろう。」
ドーラ「サリア・・・魔力の宝石を持っていない私達には、
カイザーデーモンと対決するだけの力はありません・・・
でも、あなたひとりを行かせはしません!」
エラン「我々も行くぞ、サリア!」
サリア「いいえ、エラン様、ドーラ様も、ご心配には及びません。
ではお師匠様、私は魔王と決着をつけてまいります!」
オーロフ「うむ、よくぞ申した!サリア、お前の力だけではこの扉は破れまい。
我々と協力して破壊するのじゃ!」 

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そしてカイザーデーモンの元へ。

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カイザー「来たか・・・待ちかねたぞ。私に歯向かう愚か者とはお前か。」
サリア「問答無用!カイザー、覚悟!」
カイザー「フッ、どこまでも愚かな奴だ・・・。
やれるものなら、やってみるがいい。」

 

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なんとか撃破!

 

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ドーラ「おぉサリア、無事か!!」
エラン「ついに倒したのですね、魔王を!」
オーロフ「よくやった、サリア!わしはうれしいぞ。」
サリア「ドーラ様、エラン様、お師匠様・・・。」
王様「よくぞ戻った、サリアよ!このたびの活躍は見事であった。
ガドウの邪悪な企みからアルフィリオンを救ったお前の名は、
歴史に長く残るであろう。
もはや感謝の言葉もない。さぁ、何なりと望みを申すがよいぞ。」
サリア「本当に・・・本当に邪悪な企みだったのでしょうか・・・。
ガドウ様は魔王を止めようとして亡くなりました。
王様、どうかガドウ様をお許し下さい。
私は・・・ガドウ様を葬りにザード山へ行きたいのです。
・・・それが、私の望みです。」
オーロフ「サリア!お前は国王に謝罪しろというのか!?」
王様「待てオーロフよ。確かにガドウの事は少し厳しすぎたのかも知れぬ・・・
だが、ヤツは禁を破り国を裏切ったのだ。
しかし、本当にそれが望みならば好きにするが良い。」
サリア「ご厚意に感謝致します。お師匠様、しばらくお暇を頂きます。
では・・・これで失礼致します。」
オーロフ「サリア・・・。」

 

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オープニングでビジュアル頑張ってても、
シューティングの場合、それが無かったかのように
後半演出が無くなるものが多いのだが、
本作はガッツリとストーリーを追うテキストが用意されていて、
まるでRPGをクリアしたかのような達成感があったね。
スタッフロールが無かったのは残念。
ここまでの力作を残したんだから、作った人達をちゃんと紹介するべきだ。

本作のパッケージにはロリっ娘魔女のイラストが描かれている。

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これを見ると美少女推しのゲームかと思われるかも知れないが、
ゲーム内でこのイラストのようなグラフィックが表示される事は一度も無い。
せいぜいオープニングの後頭部ぐらいだ(^^;
とっても硬派なファンタジーゲームなのであった。