集中攻略『空間浮遊都市ゼノン』

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発売元:電波新聞社
発売時期:1983年?月
定価:3800円
機種:PC8801
(そのほかPC88SR、X1など)

 

~紹介~

このゲームは電波新聞社が88ソフトのパッケージ販売を開始した
1983年にリリースされている。
製作したのはのちに『呉ソフトウェア工房』を設立する呉英二さん
もともとは呉氏が月刊マイコン誌で持っていた連載と連動して発表された
プログラムリストの一つだ。
強制縦スクロールで進むステージでバトルアーマーを操って
被弾しないように進ませる。
暴走した中枢コンピューターを破壊するのが目的。
タイトルの『ゼノン』とはこのバトルアーマーの名前ではなく、
舞台である暴走したコンピューターシティの名前である。
呉氏がのちに生み出す『エプシロン3』『スーパーゼノン ガンマー5』を含む3作は、
“バトルアーマーアクション”シリーズと呼ばれている。

 


~解体~

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テンキーでバトルアーマーを前後左右に移動させる。
画面は縦スクロールなのだが、バトルアーマーは移動した方向に向いてしまう。
攻撃はスペースキーで、レーザー光線が正面に発射される。
ただし発射は右手のガンからなので、
キャラクターの中心から右寄りのラインになっている。
攻撃間隔は0に近いので、スペースキーを押しっぱなしで連射し続け、
移動のみに注力しても攻略可能。
また、このゲームには左右の壁に溝が設定されている箇所が多々ある。
この溝の中に入ると敵からの攻撃を避ける事が出来るのだ。
(溝はずっと続いているわけではないので一時的なものだが)
全ての残機が無くなるとゲームオーバーだ。

 


~攻略研究~

このゲームでは敵へ攻撃を当てるのに2ステップ必要になる。
移動して縦か横のラインを敵と合わせた後に
敵の方向を向いてレーザーを当てる必要がある。
敵もプレイヤーとラインが合うと瞬時に攻撃を放って来る。
そうなったらほとんど避けられない。
ラインを合わせたらすぐに敵を消滅させなければ殺されるだろう。
先制攻撃が絶対のゲームなのだ。
スクロールに合わせ全ての敵攻撃の死角に移動し続け、
倒すべき敵のラインに入ってすぐに破壊する…
こういった流れがこのゲームの基本になる。

さて、最も困難となる2ステップの攻撃だが、
1つだけ1ステップで攻撃を当てる方法がある。
バトルアーマーは、斜めに移動しているときに限り向きを変えない。
これを利用し、一度バトルアーマーを前進させ、
後退しながら左右移動(斜め後退)で敵とラインを合わせるのだ。
スペースキーを押しっぱなしにすれば
ラインを合わせた瞬間に敵を破壊する事が出来るというわけ。
(前進しながらでも可能だが、スクロール方向に進むよりは後退した方が安全)

このテクニックを覚えたらさらに簡単な方法も思いつくだろう。
画面最下部で下キーを押しっぱなしにして左右に移動するのだ。
ほら、これで前方の敵に限っては簡単にラインを合わせる事が出来るはず。
(横や斜めから攻撃してきたら前方に移動して避けよう)

溝を利用した上手い攻略は編み出せなかった。(--;
溝に逃げるよりも広いところで安全地帯を見つけた方が死なない気がする。
本当は何か有効な使い方があるのだろうけれど。

 

 

~まとめ~

88で苦手とする“アクション”を上手くまとめているゲームだと思う。
また、ゲームの駆け引きが分かりやすく、
ハイスピードなゲームであるのに関わらず
思考する面白さを味わう事に成功している。

 


~MEMO~

・資料によっては“空間浮遊都市”を省略して『ゼノン』と呼んでいるものもある。
・1986年2月には処理速度の向上やサウンドが追加された
 SR専用版が発売された。