88ゲーム回想録(01)「タッグ・オブ・ウォー」

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発売元:ザインソフト
発売日:1990年4月14日
定価:6800円
機種:PC8801mk2SR以降
メディア:FD 5.25 2D(4枚組)


ザインソフト。
「トリトーン」という名作を生み出しながら、
以後、斜め45度のセンスと微妙なクオリティが、
逆に個性となって一部の人間の心に刺さっている兵庫県ソフトハウスである。
(会社名のアルファベットがコロコロ変わるのでも有名だw)

そんなザインソフトが88で最後にリリースしたタイトルが
「タッグオブウォー」である。
今回はそんな「タッグオブウォー」のストーリー設定から紐解いていこう。

 


日本中で“西本”という名前の少女が次々と誘拐される事件が起こった。
西本弥生もその一人だった。
誘拐したのは魔物達で、赤道付近に出現した魔物の国。
鎧甲冑を着た魔物の一人に理由を問い質す西本弥生。
では、その一部始終を見よ!

 

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弥生「ここは一体どこなの?」
長老「我が“タッグ・オブ・ウォー”ドリームランドへようこそ!」
弥生「あなたは一体誰なの?何の目的で私をこんな所へ連れてきたのよ!」
長老「これは、これは、自己紹介が遅れて申し訳ございませんでした。私は将軍亡き後このタッグ・オブ・ウォーを預かっているサンダーデビルと申します。」
弥生「将軍?タッグ・オブ・ウォー?一体なんの事なの?私には関係ないわ!帰してちょうだい!」
長老「そうはいきません。あなたはここの後継者になるおかたです。」
弥生「どういう事?何故私がここの後継者にならなくちゃいけないのよ。鬼!悪魔!ここから出してよ!」
長老「ふっふっ、気の強い所まで将軍によく似ておられる。」
弥生「えっ!?なんなの?」

 

 

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長老「あなたは、ここの将軍の唯一の忘れ形見なのですよ。このタッグ・オブ・ウォーでは代々から、将軍の直系男子をここの後継者とするならわしがあるのです。しかし将軍にはお子様が授からなかったのです。このまま将軍にお子様ができなければここの血がとだえてしまいます。しかし将軍が初老さしかかった頃初めて奥様にお子様が授かりました。私達の期待は大きかった。しかし期待は空しく崩れさり生まれてきたのは女の子だったのです。

 

 

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ここでは直系女子が生まれると悪魔の子(※1)とされ、生まれると同時に抹殺してしまうならわしなのです。しかし将軍が老いて初めて授かった子供という事でその子供に情が移ってしまわれ子供を殺す事を拒まれました。私は仕方なく将軍の古くからの友人である西本氏(※2)に、その子を預けたのです。それから数年の年月が経ち将軍にお子様が授からないまま他界されてしまったのです。
後を追うように奥様も・・・・

そして長老達が集まって思案した結果、あなたを後継者としあなたの愛された男を将軍として向い入れる事に決定したのです。」

 

(※1)お前らは魔物じゃん!
(※2)魔物の王様と古くからの友人だった西本氏って一体・・・。

 

 

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弥生「勝手な事を言わないで!私のお父さんは西本勝、お母さん西本光子 それ以外誰でもないわ!はやくここから出してよ!」
長老「ここの血をあなたで絶やす事はできないのです。分かって下さい。」
弥生「いやよ!ここからだして!」
長老「じゃあこうしましょう。ここでは毎年綱引大会が開催されます。(※3)
そこで私もこの大会に参加しあなたの愛した人と対戦し私を負かす事ができればあなたを自由にしましょう。」
弥生「そんな・・・・・綱夫・・・・・」(※4)

 

(※3)綱引大会・・・。けっこう平和な国なんじゃ・・・。
(※4)しっかり名前指名してるし。

 

 

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長老「これからおまえをためさせてもらう。」
綱夫「どういう事だ!」
長老「近く、わが国で綱引大会が開催される。そこで優勝すれば君の恋人を自由にする。」
綱夫「一体何の目的で・・・・」
長老「君は知らな方がいい。あなたは恋人を助ける為綱に命をかけ優勝の事だけを考えていればいい。まあ、優勝など無理だろうがな。」
綱夫「本当に弥生は無事なんだろうな!」
長老「ある所にいる。無事は保証する。」
綱夫「分かった!その大会で優勝すればいいんだな!」
長老「そうです。あなたと闘う日を楽しみに待っていますよ。ウワッハッハッハ!」

  

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綱夫は自分と闘ってくれる8人の勇士を求めて全国を歩きまわった。

 

 

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そして・・・・ 開幕!

 

それで、ゲーム本編がコレかよっ!

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綱引きを題材とする斬新なゲームであるが、
同時に綱引きというシンプル過ぎる題材は
ゲームに不向きである事を証明したタイトルとも言えよう(^^;

 

「トリトーン」のヒットから、
様々な他社ゲームの模倣を繰り返してきたザインソフトが、
88で最後に辿り着いたのが
誰も真似しない唯一無二の題材だったというところに
感慨深い思いがこみ上げてきた初夏の夕暮れであった。