家庭用シューティング

シューティングゲームサイド Vol.9 (GAMESIDE BOOKS) (ゲームサイドブックス)

Switchで『R-Type Dimensions EX』やってて改めて思った。
難易度がエゲつないなぁ~と。
特に後半のステージでミスして装備がはげると、
救済する気が微塵も感じられない。
初期装備では正面しか撃てないのに、
ウィークポイントが背面にしか無い敵が出てきたり。
 
だが『R-TYPE』の完成度が低いという話をしているのではない。
R-TYPE』はもともとはアーケード向けタイトルである。
アーケードは100円で1プレイを遊ぶシステムだ。
プレイヤーはそのプレイ体験をするのに想定する金額を
課金していってくれなくてはビジネスにならない。
平均的なプレイヤーが100円で3分遊べる難易度が適切と言われている。
100円で全てのステージを遊べてしまっては設計ミスである。
そうするとそのゲーム機を置いている店も存在できなくなるから、
結果的にプレイヤーにとってもマイナスである。
なので『R-TYPE』の難易度は正しい。
問題なのはその内容を家庭用ゲーム機にそのまま持ってきている事だ。
 
家庭用ゲーム機のソフトは、基本的には買い切り制である。
全てのプレイ体験をまとめて購入するシステムだ。
そうすると「100円投入を追加させるための難易度」は無駄な要素となる。
つまり、アーケードゲームのそのまま移植はゲームの完成度を下げているのだ!
本来ならば、
「ゲームの全ての体験(オールクリア)をプレイヤーの実力で切り抜けられる難易度」
が家庭用ゲーム機の適切な落とし所であるはず。
RPGが日本で流行ったのも「誰でも最後まで攻略可能なしくみだった」からだ。
だがシューティングは家庭用に移植する際に
「コンティニュー無限」という安易な方法でしかそれを示さなかった。
まだ「ゲーセンそのままが家庭で遊べる」という価値が高かった時代。
それに甘んじてしまったためにシューティングは家庭用での進化が遅れたのである。
(家庭用オリジナルのシューティングも
アーケードの定石を模倣したものがほとんどだった)
 
そして現在。
ご存知のように、
シューティングゲームは昔のアーケードゲームをエミュレートしたタイトルが多い。
それは「かつて遊んでいたプレイヤーが思い出を補完するため」
には重要なアイテムだ。
だが、新規プレイヤーがそれをどこまで楽しめるかは
目を背けてしまっているように思えてならない。