旧函館区公会堂で夜景を見るため、
俺様は暗くなるまでひたすら待つ事にした。
だがただ待つだけでは暇である。
何よりせっかく函館まで来たのに時間が勿体無い。
函館の元町のあたりはハリストス正教会を初めとして、
キリスト教の施設が多い。
それらを眺めて心を静めていく。
もう少しで陽が落ちそうな時間になってきたので、
俺様は近くにある観光スポットの函館市旧イギリス領事館へ向かった。
ここは1913年から1934年までの間に
イギリスの領事館として使用されていたらしい。
ここで何をするのかというと、
陽が落ちる間、シナモンミルクティーを飲んで待つというわけだ。
イギリス領事館で紅茶を嗜みながら優雅な時の過ごし方を味わう。
これこそ貴族として生まれた者の特権であろう。
そうこうしているうちに日が暮れ始めた。
俺様は旧函館区公会堂へと突進した。
2階のダンスホールのような場所へ駆け上がり、
いざバルコニーへ。
念願の夜景は!?
・・そんなでも無かった(^_^;
その理由は明白だった。
この旧函館区公会堂。
夜になると建物がライティングされるのだ!
つまり、バルコニーは照らされている側であり、
その光りによって夜景がぼやけてしまっているというわけさ。
なんてこったい・・。
俺様は肩を落としながら建物を出た。
建物のすぐ前にある元町公園のベンチに腰を落とす。
ここは「日本の歴史公園100選」に選定されているらしい。
もう夜だから何も見えないけどね。
涙の滲んだ顔を上げる。
あ。夜景キレイ。
〜つづく〜