童話「ワカメうどん」

海に面した土地で開業したうどん屋がありました。
名物は「ワカメうどん」。
採れたての新鮮なワカメがどっさりのっており、
そのあまりの美味しさにいつも行列が出来ていました。
そんなうどん屋にとある客が言いました。
「すぐそこの海でタダで拾って来たワカメで金を取る気か!もっと安くしろ!」
するとうどん屋は言いました。
「それもそうですね。ではうどん分の代金だけ頂きます。」
そうして男の前に運ばれたうどんにはワカメは入っていませんでした。
男が文句を言うとうどん屋は言いました。
「なんの利益にもならないワカメを入れるなんて面倒じゃないですか。
今日からうちは素うどんしか出さない事にします。」
男は「こんな店、二度と来るか!」と怒鳴って店を出ました。
すると店の前にいた行列の客が男を囲み、男を撲殺しましたとさ。
めでたしめでたし。