アイアムアヒーロー

最後の22巻が発売された。
最終話まで読み終えて自分なりに思った事を書いておきたい。
ネタバレになるのでご注意を。

さて物語の結末。
最後は伊豆八島で生活基盤を作り出している中田コロリと、
池袋で一人サバイバル生活をしている英雄の描写で終わる。
素直に「え?これで終わり?」と思った。
終末ゾンビモノとしては必ずしも伏線を全て回収する必要は無いし、
ZQNの正体が明らかになる必要もない。
だが、物語を何かの結論で終わらせる必要はある。
それが長期において「これ一体どうなっていくんだろう?」と
ドキドキワクワクさせた読書への責務ではないだろうか?
英雄の覚悟なり、心の成長なりでもいいんだ。
この漫画はこういう事を描きたかったんだなと腑に落ちたい。

ではそういう観点であの結末をもう一度読んでみる。
うん、英雄は何も変わっていない。
そして中田コロリは、こんな状況になっても子供達に漫画を描いている。
これ成功する漫画家と、売れない漫画家の資質を描いた漫画だったのかな?
それにしては随分遠回りの表現方法だったなぁー。

思い返せば、比呂美が突然自らの意思でDQNに取り込まれた頃から、
何だか迷走感があった。
もしかしてだけど、終わりどきを失っちゃってたのかなぁと勘ぐってもいる。