ドルアーガの塔
(ナムコ)
1992年6月25日/アクションRPG/7140円
『ドルアーガの塔』を基本に様々な点を改変させたアレンジタイトル。
ステージクリアごとに好きなパラメータを上げる事が出来たり、集めた装備でパラメータが底上げされたりする。
(ノーマルモードではステージ上のクリスタルを拾ってからクリアしないとパラメータ上昇出来ない)
オリジナル版とは違い、アイテムの集め具合とは別にパラメータによってもステージの攻略難度が変わるというわけだ。
また、消費アイテムを使用するボタンが加わる、装備変更画面がある等、よりアクションRPG的色合いが濃い内容となっている。
ビジュアル面も大幅にパワーアップ。
キャラクターはよりイメージデザインに近い等身の高いものになり、ダンジョンは真上視点のオリジナル版から俯瞰視点のものに変わり、ダンジョン探索の雰囲気が増している。
装備を変更するとキャラクターのビジュアルもパーツごとに変わるアバター仕様も嬉しい。
出口が壁に埋め込まれているのは何気に便利。
(オリジナル版だと「先にカギを取ってしまうと宝箱が取れずに出口に入ってしまう」事が起こった)
『ドルアーガの塔』最大の特徴であるアイテムの探しは健在。
また隠し方法もPCエンジン独自になっており、アーケード版の攻略情報は使えない。
ステージ開始前にヒントをくれるが、後半になるとヒントがヒントになっておらず、不条理システムとも言われるこの要素は改善されているとは言えない。
この時代だったらもうちょっと「プレイヤーの推理で探し出せる」構成にも出来たように思える。
多くの機種向けに移植された『ドルアーガの塔』だが、本作のようにアレンジ前提の一本は珍しい。
だがなぜかこのPCエンジン版はその後の復刻版などの対象に選ばれていない。
『ドルアーガの塔』は宝の隠され方をカンニングせずに地力で見つけていくのが正しい楽しみ方。
本作はパスワードを使うと途中から遊べるのでオリジナルよりも挑戦しやすいはず。
どうしても見つからない場所はスルーしてしまったが、60階までの到達はかなりの時間を要した。
ちなみに本作の場合、宝箱が2つ出るフロアや、最初から配置されていないフロアもあり、果たして攻略に必要なアイテムが揃っているのか不安なまま進む事になる。
(そういう意味では本作も「ファンの間で攻略情報を共有する」事が前提で作られている気がする)
難易度設定を「プロゲーマー」にすると、宝箱の隠し方が違うものになる。
成長用のクリスタルが途中から出なくなったのだが、それまでのパラメータ割り振りを間違えると戦闘にかなり苦労する。
宝箱出現条件に“特定の敵を倒す”というものがあったのだが、剣の威力が弱いと敵の射程に入らないように切っ先でチマチマ刺して逃げるというのを延々と繰り返さなければならない。
ちょっと操作にミスると敵の攻撃が当って一気に体力が削られる。割と地獄だった(^^;
本作では終盤の重要な場面になると会話シーンが発生する。
こちらはサッカバスの質問に答えるシーン。
返答に間違えると攻略に必要なブルークリスタルロッドが貰えないので、失敗だなと思ったら何度もやり直そう。
それはそうと乳首見えてるぜ。
ヤッホー乳首〜っ!
そしていよいよ対ドルアーガ戦へ。
どうやら必須アイテムは取りこぼしていなかった模様で一安心。
キャラクターの強化も間違っていなかったらしく、普通に体当たりしているだけで倒せたよ。
そこから60階へ登り、お馴染みのカイ救出シーンへ。
そのあとにスタッフロールになるのだが、
ここでは計10枚のビジュアルが次々と表示される豪華な祝福を受ける。
苦労が報われるぜ。
エンディングまでプレイしてみて、オリジナル版のシンプルな魅力を残しつつ、
時代に合わせた新設計が考慮されている良いアレンジゲームだと思った。
ではなぜ本作が大ヒットに至らなかったのか?
やはり、オリジナル版とのプレイ人口に大きく差がある。
最大の魅力である「コミュニティで攻略情報を共有する」というものを成り立たせるに至らず、
ただ「理不尽な宝の隠し方」だけが表面化してしまったんだと思うね。
〜エピローグ〜
ロッドを掲げる輝きと陰影が残される
この光が照らし続けたもの
神々は全てを見下ろしている
天界の光が二人を包んだ
剣の力がもたらされ
黄金の輝きはここまで高められた
この途方も無い構築物も今は虚しい
光は尽きる事無く溢れている
世界はまだ目覚めない
ギルのゆくみちは彼方まで続いている
ゲームデザイン
しばたガボン
プログラム
みかみ たかゆき
ビジュアルコンセプト/キャラクターデザイン
しのざき ゆういちろう
オリジナルサウンド
おざわ じゅんこ
ひこの たける
CGデジタイズ
はやかわ たろう
あんざい じゅんこ
ソフトウェアサポート
あきんど NIGHT
スペシャルサンクス
つるや くさの
ちだ くぼでら
ディレクト
えんどう まさのぶ
プロデュース
NAMCOT