居酒屋の常連

居酒屋での一人呑み。
俺様は特定の居酒屋で常連になるというのは得意ではない。
初めて入る居酒屋が楽しくて仕方ないからだ。
外観だけでそこの居酒屋がアタリかバスレか判断。
暖簾をくぐり、店内の雰囲気を見る。
予想した雰囲気か?それとも意外な雰囲気か?
その中からどこの席に案内されるか?
腰を落ち着けたらまず生ビールを注文。
一緒に出されるお通しから店のセンスを伺う。
そしてメニューに目を通す。
今日の組み立てを練る。
まずはビールに合うものから始まり、
2品目、3品目で店のイチオシを注文。
この題材だとビールか?レモンサワーか?
ハイボール?ホッピーセット?焼酎?日本酒?
終局までのスケジュールを描きながら呑みを進める。
予定とは違うアクシデントにも臨機応変に対応する。
敗戦色が濃くなってきたら二軒目に場を移すのも視野に入れる。
店員の気配りや耳に聞こえてくる他の客の会話も良い調味料となる。
・・とまあこんな具合。
暖簾をくぐってから出るまでが一大エンターテイメントショウなのだ。
ところが常連になってしまうと攻略法も見えてくるし、
イベント感も薄くなる。驚きも少ないだろう。
なので気に入った店だとしても、
2回目、3回目と重ねるうちにつまらなくなる。
そんなわけで俺様が常連になる店はとても少ない。