遠慮の行く末

社会人になりたての頃、上司に
「ビジネスでの会食では、大皿料理は1口分残しておくんだ」
と言われた。
相手がまだ食べたいかも知れないのに
自分で食べ切ってしまうのは失礼だとの事なのだ。
これって一般的なビジネスマネーなのだろうか?
そこで調べてみた。

この“少しだけ残す”という状態。
関西では「遠慮の塊」というらしい。
では関西人だけの習慣なのかというと違って、
関東では「関東の一個残し」と言うそうだ。
また、青森では津軽衆」
熊本では「肥後のいっちょ残し」と言った具合に、
同じ現象に別の名前がついていて面白い。
それぞれ自分の土地だけの習慣だと思ってたんだな(^^)

いずれの言葉もビジネスマナーの意味ではなく、
「それぞれ牽制しあって1つだけ残ってしまう滑稽な様子」
としての言葉として使われている模様。
では、その状態は本当に正しいマナーなのか?
いくつかの説がある。

例えば接待を受けたり、上司などの奢ってもらう場の場合、
相手に「まあまあ、お食べ下さい」という機会を与える事によって
お互いに敬う関係を作れる説。

そもそも会食の場で食欲を露わにするのは卑しい行為であるので
マナー違反とする説。

テーブルに何も無くなって
「そろそろこの場を収束させなければ」
と気を使わせる事を回避するため説。

など色々とあるみたいだが、
気を使い過ぎて逆に窮屈になる気もしないでもない。
それよりも食べたいだけ食べてもらって、
足りなければ追加しますぐらいの場の方が楽しいし、
いつまでも少しだけ残っていて、
料理が乾いていく光景はあまりキレイなものではない。
結局誰も食べずに廃棄されると思うと
料理に対してのリスペクトが足りない。
俺様はこのマナー、あんまり好きじゃないな〜。