男坂

車田正美の未完漫画。
俺様は車田正美の漫画が大好きだった。
リングにかけろ』『風魔の小次郎』『聖闘士星矢』。
熱い漢(おとこ)漫画の数々が俺様の青春期を駆け巡ったのだ。
そんな車田漫画の一つ『男坂』。
中学生が兵隊を集めてコブシで派遣を奪い合うという
荒唐無稽な喧嘩三国志的漫画。
主人公・菊川仁義に片腕となるべき硬派達が集まりかけた矢先。
まさかの“未完”という名の打ち切り。
(これによって『聖闘士星矢』が生まれたと考えれば結果オーライだが)
それから30年。
なんと車田正美本人による男坂の続投。
俺様世代の少年達が待望した夢の続き。
俺様はさっそく男塾4巻を購入。
せっかくだから1巻から順番に読み進めてみた。
だが・・。

仁義の人物設定が変わっちゃてる。(--;
主題であるはずの“硬派”なキャラじゃなくなってる・・。
女の子に「かわいいねぇ〜」なんていう男じゃなかったはず・・。
3巻読み終えた直後に4巻読むと、これはもうギャグだよ。
キャラ崩壊なんてもんじゃないよ。
(先生はちゃんと3巻まで読み直して描いてるのだろうか?)
キャラ設定だけでなく漫画全体に流れる熱量もまったく異なる。
そりゃあ30代のときと60代の今で執筆の熱量は当然違うだろうけど、
30年前に打ち切りになったものを復活させるのなら、
惰性で物語を続きを描くような事はしちゃいかんだろうと思う。
(喧嘩シーンで「ギャラクティカマグナム!」とかチャカしたようなセリフ入れたり・・)

あと何より絵がヘタになってる。
漫画家は長い時間とともにタッチが変化していくものだと思うが、
ただたんに上手くなくなってるのはショックだ。
神威の変な筋肉、丸顔で締りのない仁義、児童書に出てくるみたいな動物達・・。
何というか、車田ファンが描いた同人誌やアンソロジーコミックの如し。
これ名前だけ貸してアシスタントに描かせたんじゃないかと疑っている。

結論。
男坂』は未完で完結してたんだ。

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