出歯亀少年

中学の頃。
同級生に風呂覗きにハマってしまったヤツがいた。
ヤツの犯行手口はこうだ。
近所の2階建ての銭湯は2階部分にバルコニーがあり、
そこには隣の建物のブロック塀から乗り移る事が出来た。
そのバルコニーから銭湯内の換気扇口に顔を突っ込むと脱衣所が見渡せたらしい。
当時何度も「一緒に覗きに行こうぜ〜」と誘われた。
ずっと断っていたが、あるとき集まった4〜5人の仲間達が
「みんなで覗きにいこう」みたいな話になって、
俺様もしぶしぶついていくハメに・・。
犯行現場のバルコニーを見ると、もう本当に普通の家のベランダ程度の広さ。
あんなところに5人の中学生男子が忍び込んだら・・。
中学生の無謀さって怖い・・。

俺様はタイミングを見計らって一抜けしようとしていたそのとき、
隣の建物の住人が俺様達を発見。
「何をしているだ!」と俺様らを恫喝。
主防犯がまさにブロック塀をよじ登らんとしていたときだった。
固まる5人の中学生。
「ちょっと来い!」
と明るいところに並ばされる。
俺様の目の前真っ暗。
終わった。
俺様の人生終わった。
このまま変態野郎として一生世間様から揶揄される生活が始まる・・。

結果としては通報される事もなく、
「もうこんな事考えるなよ!」と見逃してもらえた。
明るいところで見たらまだ全員子供だったからだろう。
(変態野郎と揶揄される部分は結果としてその通りになったが)

そんな事があったにも関わらず、
その後も主犯格の同級生は
「今度は見つからないように覗こうぜ」なんて誘ってきていた。
(当然、二度と付き合う事は無かった)
中学卒業以来、その主犯格の同級生とは会っていない。
あれから彼はどんな大人になったのだろう?

なんか怖い。