カレー番長への道 〜望郷編〜 第23回「グリルスイス」

意外な事だが、
理想的なトンカツが食べられる店というのは
なかなか見つからない。
俺様の理想は肉厚で上質の脂が乗っており、
衣はサクサクのボコボコ。
そしてソースに気をつかってる店。
ほぼ条件が揃っていても、
古い店だと油やソースを使い回し過ぎて酸化してたりしてガッカリする。
俺様の行動範囲では理想のトンカツ屋は蒲田、池袋、目黒にしかない。
そんな事を考えていたら、カツカレーが食べたくなってきたw

どうせ食べるなら原泉を確認しよう、
と思い立った店が銀座のグリルスイスだ。

ここはカツカレー発祥の店だ。
昭和23年のこと。かつて常連だった巨人軍の千葉茂選手。
「急いで食べたいから、カレーにカツを乗せてだしてよ」
と注文したのが始まりらしい。

店内でカツカレーを注文しようとしたそのとき、
牛ロースのカツレツカレー 本日に限りサービス価格」
と書かれているのを発見。
1680円が1470円になっているらしい。
値段はともかくとして牛カツの乗ったカレーは珍しい。
俺様はそれを注文した。
まずスープが来た後にカレーがやってくる。

まずカレーから味見。
うわっ!苦い!これは大人のカレーだねぇ。
苦味が凄い主張してくる。
ブラックコーヒーカレーみたい。
続いてカツだ。
牛だけに赤身の残る揚げ方をしている。

実に美味そうだ。パクっ。
ん?期待していたジューシーさが広がらず。
完全にカレーに負けている。
牛ロースカツレツの実に勿体無い食べ方だ。
やはりカレーには脂の乗った豚ロースが合う気がする。
しまった・・。
俺様とした事が原則を忘れていた。
“初めての店では定番メニューを食すべし”だった。
この満足度では1470円でも割高に感じるが、
通常のカツカレーは800円だから、決して高い店では無いのだろう。
この店の評価はノーマルカツカレーを食べるそのときまでオアズケだな。